風習

結納

九州の結納「御知家」とは?

結婚が決まると、両家の絆を深め、これから始まる新しい家族の誕生を祝う儀式として、結納を行うのが一般的です。結納は古くから日本に伝わる伝統的な儀式ですが、その形式や品物は地域によって大きく異なります。 例えば、関東地方では7品を贈るのが主流とされています。これは、奇数を縁起の良い数とする考え方に基づいています。7品にはそれぞれ意味があり、「目録」には贈答品の品書きを、「長熨斗」は末永く続く繁栄を、「金宝糖」は円満な関係を築けるようにとの願いが込められています。 一方、関西地方では9品を贈るのが一般的です。9品には、7品に加えて、「友白髪」と「寿留女」が含まれます。これらは、夫婦共に白髪になるまで健康に、そして子宝に恵まれるようにとの願いが込められています。 このように、結納の品数は地域によって異なり、それぞれの品物には深い意味が込められています。さらに、地域によっては、これらの品に加えて、その土地ならではの特産品や、新郎新婦の趣味嗜好に合わせた品物を贈ることもあります。結納は、単なる形式的な儀式ではなく、両家の歴史や文化、そして新郎新婦への想いが込められた、地域色が豊かに反映される儀式と言えるでしょう。
結納

結婚を祝うお酒、決め酒とは?

結婚が決まり、喜びも束の間、結婚の準備には両家の顔合わせや結納など、多くの段階があり、これから始まる新しい章に期待と不安が入り混じる方も多いのではないでしょうか。 そんな中、古くから伝わる日本の風習のひとつに「決め酒」というものがあります。これは、結婚が正式に決まったことを祝い、両家の親族や仲人が集まり、お酒を酌み交わすという儀式です。 かつては、結婚の約束を取り付ける際に、男性側が女性側の家に酒を持参し、結婚の許しを得るための儀式として行われていました。現代では、結納に代わる簡略化された儀式として、あるいは顔合わせの席で、両家の親睦を深める意味で行われることが多いようです。 「決め酒」の儀式では、一般的に日本酒が用いられます。日本酒は、米と水という日本の自然の恵みから生まれるお酒であり、古来より神聖なものとされてきました。 「決め酒」は、単なるお酒の席ではなく、両家の結びつきを祝うとともに、これから始まる新しい家族の繁栄を祈願する、大切な意味を持つ儀式なのです。
結婚の為の準備

知っておきたい日本の伝統「荷出し」

- 荷出しとは 「荷出し」とは、結婚が決まった女性が、実家から新居へ自身の家財道具を運び出す、古くからの伝統的な儀式です。これは、嫁ぐ娘が、親から独立し、新しい家庭を築くことを象徴する大切な節目とされてきました。 かつては、婚礼家具や着物、食器など、新生活に必要な家財道具一式を、嫁入り道具として両親が揃え、花嫁の出発に合わせて、親族や近隣の人々が手伝って新居へと運びました。 荷出しは、長年、愛情を込めて育ててくれた両親への感謝の気持ちを表すと同時に、周囲の人々へ結婚の報告と、新生活への祝福を受ける、いわば女性側の晴れ舞台といえるでしょう。 近年では、核家族化が進み、新生活の準備も簡素化されたため、荷出しを行う家庭は少なくなってきています。それでも、地域によっては、伝統的な風習として、あるいは、両親の想いを形にするために、荷出しを行うケースも見られます。 荷出しを行う場合は、事前に新居の間取りや収納スペースを確認し、運び込む荷物の量を調整することが大切です。また、業者に依頼する場合には、見積もりや作業内容をしっかりと確認し、スムーズな引越しができるように準備しておきましょう。