結婚の伝統「家内喜多留」とは?
- 家内喜多留の由来
家内喜多留とは、結婚の際に男性側から女性側へ贈る金品を指し、日本の結婚式において古くから伝わる美しい風習のひとつです。その歴史は室町時代まで遡り、当時の結婚式の風景を今に伝えています。
室町時代、結婚が決まると男性側から女性側の家へ祝い酒を持参する風習がありました。この祝い酒を入れる容器として用いられたのが「柳樽」です。柳は、その強い生命力と成長の早さから、生命力や成長の象徴とされていました。
新しい門出を迎える二人にとって、柳の木のような生命力にあふれ、末永く成長していくことを願う気持ちが込められていたと考えられています。時代が進むにつれて、樽の中身は酒から金品や現金へと変化していきました。
そして現代では、酒肴料として現金を贈ることが一般的になっています。しかし、形は変わっても、家内喜多留には、新しい家庭を築く二人への祝福と、両家の繁栄を願う気持ちが込められていることに変わりはありません。