由来

結納

結納品「勝男武士」の深い意味

結婚が決まると、両家の結びつきを強めるために結納を行うことがあります。結納とは、婚約の成立を正式に認め合い、結婚の約束を誓い合う儀式です。 この結納の際に、男性側から女性側へ贈られる品々のことを「結納品」と言います。結納品には、それぞれ深い意味が込められており、両家の繁栄や夫婦の幸せを願う気持ちが込められています。 その中でも、「勝男武士」と呼ばれる縁起物が存在します。一体何かというと、私たちが普段から口にしている「鰹節」のことです。 鰹節は、古くから縁起の良い食べ物として、様々な場面で重宝されてきました。「勝男武士」という呼び名は、「鰹」の漢字が「勝つ男」を連想させること、そして鰹節が武具である兜の形に似ていることに由来しています。 結納品として鰹節を贈ることは、これから夫婦となる二人に、力強く、たくましく生きてほしいという願い、そして子孫繁栄を願う気持ちが込められています。 時代の流れとともに、結納の形式も簡略化されてきていますが、それぞれの結納品に込められた意味を知ると、改めて結婚の意義や重みを感じることができるのではないでしょうか。
和式

結納の品「寿留女」の意味

- 結納の品「寿留女」とは 「寿留女(するめ)」は、結婚が決まった男女の家同士が親睦を深める儀式である結納の際に、男性側から女性側へ贈られる結納品のひとつです。 「寿留女」と書いて「するめ」と読みます。 これは、普段私たちが食卓で目にしたり、お酒のおつまみとして口にしたりする、あの「するめ」のことです。 では、なぜ日持ちのする乾物であるするめが、結婚式前の大切な儀式である結納の場で贈られるのでしょうか? その理由は、するめが持つ縁起の良さからきています。 するめは、イカを原料として作られます。 イカは、海の中でたくさんの卵を産むことから、子孫繁栄の象徴とされてきました。 また、するめは噛めば噛むほど味がでることから、「夫婦の仲が長く続くように」という願いも込められています。 このように、「寿留女」には、日本の伝統的な価値観と、夫婦の未来に対する願いが込められているのです。
その他

ジューンブライド:6月の花嫁に幸運を

「ジューンブライド」という言葉、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。6月に結婚する花嫁を指す言葉ですが、実は古代ローマの時代にまで遡る言い伝えに由来しています。当時のローマ神話において、6月は結婚や出産を司る女神ユノに捧げられた月でした。ユノは、女性の守護神として広く信仰を集めており、人々はユノの力が最も強まるとされる6月に結婚することで、その加護を受け、幸せな結婚生活を送ることができると信じていました。 ユノは、ギリシャ神話における最高位の女神ゼウスの妻であるヘラと同一視されています。ヘラは、結婚や夫婦の愛の象徴とされており、そのヘラと同一視されるユノもまた、結婚生活の守護神として、永遠の愛や夫婦の繁栄を約束してくれる存在と考えられていたのです。 このように、ジューンブライドは、古代ローマ時代から続くユノの伝説と深く結びついています。そして、ユノの加護によって幸せな結婚生活が約束されると信じられたことから、ジューンブライドは、「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」という言い伝えとして、現代まで受け継がれているのです。
挙式

結婚式を彩る「華燭の典」の意味とは?

- 華燭の典の由来結婚式のことを「華燭の典」と呼びますが、一体なぜ「華燭の典」と呼ぶようになったのでしょうか? その答えは、遠い昔の中国にあります。中国では、樺(かば)の木の皮を燃やして灯りをともしていました。樺の木の皮は油脂分を多く含んでいるため、長時間燃え続け、その灯りは力強く、そして美しいものでした。 この樺の木の灯火のことを「華燭」と呼び、婚礼の儀式で用いられていました。 当時の人々は、婚礼は家と家が繋がり、新しい命が誕生する喜びに満ちた儀式だと考えていました。そのため、 結婚式は、華やかで、そしてその家の未来を明るく照らすようにと願いを込めて、華燭を灯したのです。また、樺の木の灯火は途中で消えることが少なく、縁起が良いとされていました。そのため、華燭は婚礼と結びつけられ、いつしか結婚式のことを「華燭の典」と呼ぶようになったのです。 現代では、樺の木の灯火が使われることは少なくなりましたが、「華燭の典」という言葉は、結婚式そのものを表す言葉として、今もなお大切に受け継がれています。