夜の正礼装を彩る 拝絹の魅力
- 拝絹とは拝絹(はいけん)とは、男性の夜間の正礼装であるタキシードやテイルコート(燕尾服)の襟に見られる、光沢のある布地のことです。この部分は、単に光沢のある布を貼っているのではなく、布地に「朱子織」という特別な織り方を施すことで、独特の光沢を生み出しています。素材には、かつては絹が使われていましたが、現在では絹のように上品な光沢を持つ、化学繊維のサテンやタフタなども使われています。高価な絹に比べて扱いやすく、価格も抑えられるため、広く普及しています。拝絹は英語では、一般的に「フェーシングカラー」と呼ばれます。しかし、「フェースドラペル」や「シルクフェースドカラー」、「シルクフェーシング」など、様々な呼び方があり、統一されていません。拝絹は、昼間の正礼装であるフロックコートやディレクターズスーツには用いられず、あくまで夜間の正礼装であるタキシードとテイルコートだけに用いられる特別なものです。襟元に光沢を加えることで、顔周りを華やかに見せる効果があり、夜のパーティーや式典にふさわしい格式高い雰囲気を演出します。