結納に欠かせない長熨斗の意味と由来
結婚が決まり、いよいよ夫婦となることを両家の親族一同に認めてもらう儀式、それが結納です。
両家の絆を深め、婚約を正式に約束するこの儀式には、古くから受け継がれてきた伝統と、そこに込められた深い意味があります。
結納の儀式の中で、男性側から女性側へ贈られる品々のことを「結納品」と呼びますが、その中でもひときわ存在感を放つのが「長熨斗」です。
長熨斗は、かつては「のしあわび」と呼ばれ、貴重な食材であった鮑を薄く伸ばして乾燥させたものでした。
鮑は海の恵みの中でも特に長寿の象徴とされ、古くから縁起物として大切にされてきました。
その鮑を用いた長熨斗には、両家の繁栄と、これから夫婦となる二人の末永いお幸せを願う気持ちが込められているのです。
時代の流れとともに、現在では鮑の代わりに、昆布や鰹節などを用いた長熨斗も一般的になっています。
形や素材は変わっても、長熨斗に込められた変わらぬ想いは、これからも夫婦として共に歩む二人を温かく見守ってくれることでしょう。