かつお節

和式

縁起物「松魚節」の意味と由来

結婚が決まると、両家の親族が集い、これから始まる新しい家族の絆を確かめ合うために結納の儀式を行うことがあります。この儀式は、両家が結婚の約束を正式に交わす大切な意味を持っています。そして、この結納の際に贈られる品々のことを結納品と呼びますが、その中でも松魚節は古くから広く選ばれてきました。 一体なぜ松魚節は、数ある品々の中から結納品として選ばれるのでしょうか?その理由は、松魚節が持つ縁起の良さにあります。松魚節は、鰹節の中でも特に高級品とされ、その製造過程でカビ付けを繰り返すことで、元の大きさよりも大きく成長することになぞらえて、「子孫繁栄」の象徴とされています。結婚は、新しい家族の始まりを意味し、子孫を残していくことは、家系を未来へと繋いでいく上で大切な役割を担っていました。そのため、子孫繁栄の願いを込めて、松魚節が結納品として選ばれてきたのです。 また、松魚節は保存食であり、「夫婦が長く共に過ごす」ことを願う気持ちも込められています。現代のように物が溢れていなかった時代には、保存食は貴重な食料であり、夫婦の生活を支える大切なものでした。松魚節を贈ることで、これから始まる新しい生活が末永く続くようにとの願いが込められているのです。 このように、松魚節は縁起物として、そして夫婦の未来への願いが込められた贈り物として、日本の伝統的な儀式である結納において重要な役割を果たしてきたのです。