結婚の意思を形に:おさえ末広の儀式
- おさえ末広とはおさえ末広は、主に近畿地方で行われる、結婚の約束を確約するための儀式です。一般的には、正式な結納の前に、両家の間で結婚の意思を確認する意味合いを持っています。この儀式では、両家の仲人が立ち会いのもと、男性側から女性側へ贈り物が贈られます。贈り物の中で最も重要なのが、純白の末広の扇子です。この扇子は「見合い扇子」とも呼ばれ、結婚の意思を表明する、大変重要な意味を持つものです。おさえ末広は、結納のように格式張ったものではなく、両家の親睦を深める意味合いも持ち合わせています。食事を共にしながら、和やかな雰囲気の中で今後の結婚に向けての話し合いが進められます。現代では、おさえ末広を行う家庭は少なくなってきていますが、両家の結びつきを大切にする日本の伝統的な風習として、今もなお受け継がれています。