結婚式後の花嫁の「引き上げ」とは？

結婚式後の花嫁の「引き上げ」とは？

「引き上げ」の意味

結婚式が盛大に終わり、参列客を見送った後、花嫁を待つのは「引き上げ」という大切な儀式です。華やかだった披露宴の興奮と感動を残しつつ、花嫁は日常へと戻っていく準備を始めます。

「引き上げ」とは、その名の通り、花嫁を式場の喧騒から静かな個室へと案内し、結婚式という特別な舞台から解放することを意味します。まずは、身に纏った美しいドレスや着物を脱ぎ、普段着に着替えます。ウェディングドレスは特に思い入れのある一着ですから、丁寧に扱われ、専用の箱に収められます。

次に、華やかなメイクを落とし、普段の自分に戻っていきます。ヘアスタイルも、披露宴でのおめでたい雰囲気から、日常生活に馴染むものへと変化します。

これらの行為は、単なる着替えやメイクオフではなく、花嫁としての役目を終え、夫婦としての新たなスタートを切るための象徴的な儀式と言えるでしょう。静かな個室で、花嫁は安堵感と達成感、そして未来への希望を胸に、新たな章へと踏み出すのです。

「支度」との対比

結婚式には、「支度」と対をなす美しい言葉が存在します。それは、式を終えた花嫁が会場を後にする際によく使われる「引き上げ」という言葉です。

「支度」とは、花嫁が式に向けて美しく変身していく、いわば魔法のような時間です。プロのヘアメイクアーティストの手によって髪型や化粧が整えられ、純白のウェディングドレスや華やかな和装に袖を通す。この「支度」という時間は、花嫁が日常から非日常へと足を踏み入れる、特別なひとときと言えるでしょう。

一方、「引き上げ」は、華やかな式を終えた花嫁が、ゲストに見送られながら会場を後にする、少し寂しさと安堵感が入り混じる時間です。名残惜しさを感じながらも、感謝の気持ちを胸に、新しい人生へと踏み出していく。「引き上げ」は、結婚式という夢の舞台の幕が下り、いよいよ夫婦としての日常が始まることを象徴しているかのようです。

「支度」と「引き上げ」。
対照的な言葉でありながら、どちらも結婚式という特別な日を彩る大切な要素です。

和装と洋装の違い

結婚式という特別な日を彩る衣装として、和装と洋装、どちらを選ぶかは悩ましい問題です。どちらもそれぞれの魅力にあふれていますが、準備や引き上げの内容は大きく異なるため、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。

和装、特に白無垢や打掛といった伝統的な衣装は、その豪華さと美しさで多くの花嫁を魅了します。しかし、その構造は非常に複雑で、多くの場合、帯や小物なども使用するため、着付けには専門的な技術と経験が必要です。そのため、着付け師のサポートは必須と言えます。また、和装に合わせたヘアスタイルも、かんざしなどの髪飾りを使用するため、専門知識を持った美容師によるセットが一般的です。

一方、ウエディングドレスは、和装に比べて比較的シンプルな構造であるため、着付けの手間は少なくて済みます。そのため、自身で脱衣や着替えを行うことも可能です。ただし、ドレスのシルエットを美しく見せるためには、適切な下着選びや補正が必要となる場合もあります。また、ヘアメイクについても、ドレスのデザインや会場の雰囲気に合わせた華やかなスタイルが求められます。特に、ヘアスタイルを維持するためのスプレーやワックスを使用することが多いため、披露宴後、ヘアメイクを落としたり、ヘアスタイルを元に戻したりする際には、美容師の助けが必要となるでしょう。

引き上げにかかる費用

結婚式当日に身にまとった婚礼衣装を、式場やホテルから自宅または別の場所へ持ち帰ることを「引き上げ」と呼びます。この際に発生する費用が「引き上げ料」です。

和装の場合、引き上げ料は着物の種類や着付け師の経験によって変動します。例えば、一般的な白無垢よりも、色打掛や大振袖など、より豪華で扱いに注意を要する衣装は、引き上げ料が高くなる傾向があります。また、ベテランの着付け師に依頼する場合も、料金が高くなることがあります。これは、豊富な知識と技術で、衣装を安全に美しく packing し、持ち帰るまでの責任を負うためです。

一方、洋装の場合、自分でドレスを運び出せば、引き上げ料は基本的にかかりません。ただし、式場でヘアメイクの最終調整や着替えの手伝いなどを依頼する場合は、別途費用が発生することがあります。

引き上げ料は、業者やプランによって大きく異なるため、事前に確認しておくことが大切です。見積書の内容をよく確認し、不明な点は遠慮なく質問しましょう。 また、引き上げの際に追加料金が発生する可能性についても、事前に確認しておくと安心です。

引き上げの重要性

結婚式と披露宴を終え、華やかな衣装を脱ぎ、普段着に着替える「引き上げ」。これは単なる着替えの時間ではなく、花嫁にとって心身ともに切り替えを行うための、とても大切な時間です。

式の間は、最高の自分でいるために緊張感や高揚感が続きます。引き上げによって、そうした緊張から解放され、無事に式を終えた達成感や、参列してくれた人々への感謝の気持ちで満たされるでしょう。

そして、普段の自分に戻ることで、改めて結婚という人生の大きな節目を迎えたことを実感し、新しい生活への期待を膨らませることができるのです。

このように、引き上げは、花嫁が様々な感情を整理し、新たなスタートを切るための、貴重な時間を与えてくれる大切な時間と言えるでしょう。