結納の品「寿留女」の意味

結納の品「寿留女」の意味

結納の品「寿留女」とは

– 結納の品「寿留女」とは

「寿留女（するめ）」は、結婚が決まった男女の家同士が親睦を深める儀式である結納の際に、男性側から女性側へ贈られる結納品のひとつです。

「寿留女」と書いて「するめ」と読みます。
これは、普段私たちが食卓で目にしたり、お酒のおつまみとして口にしたりする、あの「するめ」のことです。

では、なぜ日持ちのする乾物であるするめが、結婚式前の大切な儀式である結納の場で贈られるのでしょうか？

その理由は、するめが持つ縁起の良さからきています。

するめは、イカを原料として作られます。
イカは、海の中でたくさんの卵を産むことから、子孫繁栄の象徴とされてきました。

また、するめは噛めば噛むほど味がでることから、「夫婦の仲が長く続くように」という願いも込められています。

このように、「寿留女」には、日本の伝統的な価値観と、夫婦の未来に対する願いが込められているのです。

「寿留女」に込められた３つの意味

「寿留女」という言葉には、結婚する女性への祝福と、夫婦の未来に対する願いが込められています。「寿」は文字通り「長寿」を表し、夫婦がいつまでも健康で幸せに過ごせるようにとの願いが込められています。
「留」には「留まる」という意味があり、これは結婚後、女性が嫁ぎ先でしっかりと根を下ろし、家族の一員として温かく迎え入れられるようにとの願いを表しています。そして「女」は、単に女性であることを示すだけでなく、「良い妻」としての資質を期待する意味も込められています。
つまり「寿留女」とは、結婚する女性が、嫁ぎ先で末永く幸せに過ごせるように、そして新しい家族の一員として愛されるようにとの願いが込められた、大変縁起の良い言葉なのです。そのため、結婚祝いの贈り物に「寿留女」の文字が入った品を選ぶことは、二人の未来に対する心からの祝福を伝える、素敵な贈り物になるでしょう。

するめが選ばれる理由

– するめが選ばれる理由

結婚式の引出物として、古くから愛されてきた縁起物の一つに「するめ」があります。一見意外に思えるかもしれませんが、そこには日本の伝統的な価値観に基づいた、夫婦の未来に対する温かい願いが込められているのです。

まず、するめはイカを乾燥させて作るため、長期保存が可能な点が挙げられます。これは、二人の結婚生活が末永く続くように、という願いを表しています。新鮮な状態のイカを加工し、時間をかけてじっくりと乾燥させることで、深い味わいが生まれるするめは、夫婦として共に長い時間を過ごし、深い絆で結ばれていくようにという願いを象徴しているかのようです。

さらに、するめは噛めば噛むほどに味が増していくという特徴も持っています。これは、時が経つにつれて愛情が深まる夫婦、共に人生の喜びや苦労を分かち合い、年を重ねるごとに絆が強くなっていく夫婦になるようにとの願いが込められています。噛めば噛むほどにじんわりと旨味が広がるするめは、穏やかで温かい夫婦の愛情を表現していると言えるでしょう。

現代の結納と寿留女

– 現代の結納と寿留女

近年、結婚式の形式が多様化し、それに伴い結納も簡略化される傾向にあります。かつては結婚の必須儀式とされていましたが、最近では行わない選択をするカップルも少なくありません。

確かに、住宅事情やライフスタイルの変化、経済的な事情などから、従来の形式に捉われない自由なスタイルが求められていると言えるでしょう。

しかしながら、結納には両家の結びつきを再確認し、結婚の決意を表明する重要な意味があります。そこには、古くから伝わる日本の伝統的な風習や、家族への思いやりが込められています。

例えば、結納品の一つである寿留女は、単なる装飾品ではありません。夫婦の未来に対する願い、そして両家の繁栄への願いが込められた、日本の伝統と文化を象徴する品と言えるでしょう。

結納を行うかどうかは、それぞれのカップルの価値観や状況によって異なります。しかし、伝統的な儀式の意味や意義を知ることで、結婚に対する意識を高め、夫婦としての決意を新たにする良い機会になるのではないでしょうか。