知っておきたい頼まれ仲人の役割とマナー

知っておきたい頼まれ仲人の役割とマナー

頼まれ仲人とは？

結婚式という人生の晴れ舞台の準備には、衣装選びや会場探し、招待客の選定など、決めることが山のようにあります。その中でも、特に頭を悩ませるのが「仲人」の存在ではないでしょうか。

古くからの形式にこだわるのであれば、両家の家柄や相性をよく知る正式な仲人を立てて、結婚の話を進める段階から両家の橋渡しを依頼するのが一般的でした。しかし、近年では、結婚の形式も多様化し、友人や会社の上司などに結婚式の当日だけ仲人を依頼する「頼まれ仲人」を選択するカップルも増えています。

頼まれ仲人とは、結納の立会い、もしくは結婚式当日だけ仲人の役割を担う人のことを指します。本来、仲人は結婚の話を進める段階から、両家の間を取り持ち、結婚が円滑に進むようにサポートする重要な役割を担っていました。具体的には、見合いの段階では「世話人」、結納の際には「使者」、そして挙式・披露宴では「媒酌人」というように、それぞれの場面で異なる役割を担います。しかし、頼まれ仲人の場合は、こうした一連の役割を全て担うのではなく、両家の顔合わせや結納への参加は行わずに、結婚式当日だけ出席し、主にスピーチをお願いするというケースが一般的です。

なぜ頼まれ仲人を依頼するのか

近年、結婚式のスタイルは多様化し、従来の形式にとらわれない自由なスタイルの結婚式を選ぶカップルが増えています。

しかし、格式高いホテルや結婚式場で結婚式を挙げる場合や、両家、特に親世代が伝統的な形式を希望する場合には、仲人の存在が不可欠となるケースがあります。

仲人は、単なる結婚式の立会人ではなく、両家の縁を取り持つ重要な役割を担います。結婚が決まった後、両家に結婚の承諾を得るための挨拶から始まり、結婚式の準備、そして結婚式当日まで、両家の間に入って様々な調整を行います。

このような場合に、両家の間に立ってくれる親族がいない、あるいは、そこまで親しい間柄の親族がいないという場合に、結婚式という特別な日を共に祝うという意味を込めて、信頼のおける友人や会社の上司に頼まれ仲人を依頼することが増えています。

頼まれ仲人は、両家と新郎新婦の橋渡し役として、結婚式が円滑に進むようサポートする大切な役割を担います。そのため、責任感と社交性があり、新郎新婦にとって信頼できる人物を選ぶことが重要です。

頼まれ仲人の注意点

結婚式という特別な日に、新郎新婦から大切な役割を任される頼まれ仲人。その役割の重要性をしっかりと理解し、責任と自覚を持って行動することが大切です。

まず、服装は結婚式にふさわしい正装を心がけましょう。男性であればモーニングやダークスーツ、女性であれば和装かフォーマルドレスが一般的です。アクセサリーや小物にも気を配り、華やかさを添えつつも、新婦よりも目立つことのないよう配慮が必要です。

次に、祝辞は新郎新婦への祝福と、両家の未来に対する期待を込めて贈る言葉です。心を込めて伝えることが重要ですが、そのためにも事前に内容をよく練っておくことが大切です。忌み言葉を避け、長すぎず短すぎず、結婚式にふさわしい内容であることを確認しましょう。また、結婚式の流れを把握し、円滑な進行のために司会者と連携をとることも重要です。

さらに、地域や宗教によって結婚式の形式や風習が異なる場合があります。新郎新婦に事前に確認し、失礼のないよう注意を払いましょう。

頼まれ仲人は、新郎新婦の門出を祝うと同時に、両家の絆を深める大切な役割を担っています。責任の重さを認識し、新郎新婦、そして両家の家族にとって、心に残る素晴らしい結婚式となるよう、精一杯務めましょう。